【クラック・デ・シュバリエ】 =世界遺産= |
シリア中部のホムスは緑多い、美しい地方です。 |
ホムスの風景と家並み | |
鉄道がある |
昔ながらの羊飼い |
クラック・デ・シュバリエ | |
入口までの階段 |
城の入口 |
城壁 |
二重の通路 |
ゴシック式回廊 |
礼拝堂の中の説教台 |
中庭から見る食堂 |
炊事場 |
塔から見る城の中庭 城の最上部の塔 |
2011年からのシリアの内戦で、ホムスは政府軍と反体制派の激戦地となっており、2013年に、クラック・デ・シュバリエは政府軍の空爆を受けたとみられ、要塞の塔の1つが破壊されたと言われています。 2013年6月、クラック・デ・シュバリエを含むシリアにある6つの世界遺産すべてが「危機遺産」に登録されました。 危機遺産の登録は災害や武力紛争から遺産を守るのが目的で、修復などで国際的な支援を受けることができます。 ※ 危機遺産に登録されたシリアの世界遺産6カ所 ・古代都市ダマスカス ・古代都市ボスラ ・パルミラ遺跡 ・クラック・デ・シュバリエ ・古代都市アレッポ ・シリア北部の古代村落群 |
空爆を受けたクラック・デ・シュバリエ (2013年7月15日 AFP=時事通信の写真) |
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レストラン |
窓からクラック・デ・シュバリエが見える |
昼食 |
名物オーナー |
クラック・デ・シュバリエが窓から見渡せるレストランで昼食をとりました。 |
【マルーラ村】 | |
マルーラ村は、アンチ・レバノン山脈の麓にあるキリスト教徒の村で、今でもアラム語が話されている村です。 マルーラ村へ向かう道 マルーラ村 | |
聖セルジウス教会 |
教会の近くにあるカフェ |
【ウマイヤド・モスク】 | |
ダマスカスに戻り、もう夜になっていましたが、ウマイヤド・モスクの見学をしました。 モスクの外壁とミナレット(鐘楼) 大理石が敷き詰められた広い中庭 | |
チャドルを着てネズミ男状態 |
礼拝堂入口 |
礼拝堂内部 長さ130m |
天井のモザイク模様 |
ヨハネの霊廟 |
説教台 |
【ハミディーエ・スーク】 | |
ハミディーエ・スーク(市場)はダマスカス最大の市場です。 ハミディーエ・スークの入口 左側の看板はアサド大統領 | |
スークの通り |
派手な提灯のようなもの |
女性の服と下着も売っている |
子供服 |
自分の子供と娘の写真を撮るお母さん |
可愛い笑顔の子供を抱かされる娘 |
カシオン山の夜景 |
【シリア情勢・空爆死者、子供含む865人 対イスラム国、9月以降】 2014年11月12日
シリア人権監視団(英国)は12日、過激派「イスラム国」のシリア領内の拠点に対して米国主導の有志国が9月23日に始めた空爆作戦で、これまで一般市民50人を含む少なくとも865人が死亡したとの集計を発表した。
死者の内訳は、イスラム国の戦闘員が746人、国際テロ組織アルカーイダ系の「ヌスラ戦線」の戦闘員が68人など。イスラム国の実際の死者はさらに多いとみられる。一般市民50人には子ども8人、女性5人が含まれる。(共同)
【シリア内戦、遺跡290カ所被害】 2014年12月23日
国連訓練調査研究所(UNITAR、本部ジュネーブ)は23日、内戦が長期化するシリアで、少なくとも290カ所の文化遺跡が空爆などにより被害を受けた恐れのあることが衛星画像の分析で分かったと発表した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産も含まれており、国際社会に保護の強化を促している。
UNITARは、文化遺跡が集まるシリア国内の計18地域を調査。遺跡24カ所が全壊していたほか、104カ所に重度の損壊、85カ所に中程度の損壊がみられた。77カ所に損壊の可能性があることも確認された。
シリアは古代から東西文明が交わり栄えた地で、シルクロードの中継都市だった中部パルミラの古代都市遺跡など世界遺産も多い。(共同)
【イスラムと世界】 2014年12月29日
内戦が続くシリアでは2011年以降の死者が20万人を超え、2200万人の人口の約半数が国外難民、国内避難民となった。深刻な人道危機を前に、国際社会はほぼなすすべがない。北アフリカでもペルシャ湾岸でも過激派が台頭し、時代錯誤的な「イスラム的混沌(こんとん)」が続く。世界は一体どこへ向かっているのか。
【イスラム国:1900人「処刑」 子どもや女性、外国人も】 2014年12月29日
シリア人権監視団(英国)は28日、イスラム過激派「イスラム国」がカリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家の樹立を宣言した6月以降の半年間に、シリアで子どもや女性を含む約1900人を「処刑」したとする集計を発表した。
このうちシリア東部でイスラム国と対立したシャイタート部族の住民930人を含む約1200人が一般市民だった。処刑は銃殺や斬首により実施されたという。
イスラム国は市民やアサド政権兵士らの他に、組織のメンバー120人も処刑した。殺害されたメンバーの大半は、戦闘員としてイスラム国に加わりながらその後、自国に戻ろうとした外国人だった。(共同)
【シリア情勢・昨年の内戦死者7万6021人 反政府運動以来最多、子供も3500人超】 2015年1月2日
シリア人権監視団(英国)は1日、内戦中のシリアで2014年の1年間で、戦闘などにより7万6021人が死亡したとの集計を発表した。11年に反政府運動が始まって以来、死者数が最も多い年となった。
内訳は子供3501人を含む1万7790人が一般市民、アサド政権側の軍兵士や民兵が2万5160人、過激派「イスラム国」を含む反アサド政権側民兵が3万2726人など。13年の死者は7万3447人、12年は4万9294人、11年は7841人だった。(共同)
【反アサド政権デモから4年 反政府勢力乱立 内戦泥沼、国民の半数難民】 2015年3月14日
2011年に中東の民主化要求運動「アラブの春」に触発され、シリアでアサド政権に対する大規模な抗議デモが始まってから15日で4年を迎える。
アサド政権と反体制派の2極対立の構図は崩れ、イスラム過激派組織「イスラム国」や国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」、クルド人勢力や周辺国の思惑が絡んで戦況は泥沼化。国民の半数が自宅を追われ、故郷に戻れる見通しさえ立たない状況だ。
「家族は仕事を失い、学問をあきらめ、恐怖の中で暮らしている。独裁者も、テロ組織も、私の答えではない」。ISの実効支配下にある北部ラッカ出身の男性(26)は12日、避難先のトルコで毎日新聞の電話取材に答えた。4年前、反政権デモに参加して以来、反体制派として活動してきた。今はISに対する抵抗運動を続けている。「自由や人間の尊厳をかけた戦いだ。あきらめるわけにはいかない」と語った。
アサド政権は11年の改革要求デモを武力で弾圧した。
「最初から平和的なデモなど存在しなかった。デモ隊は警察官を殺害したのだ」。アサド大統領は今月上旬のポルトガルメディアとのインタビューで弾圧を正当化した。反体制派は軍の離反兵士などを中心に武装闘争を始め、12年夏に内戦が本格化した。
反体制派は当初、首都ダマスカス郊外などで優勢に立ち、政権崩壊も一時、現実味を帯びた。だが、反体制派内で、世俗派とイスラム勢力などの権力争いが徐々に表面化。特にイスラム教に基づく国家造りを目指すイスラム勢力を巡っては、支援国の足並みも乱れた。イスラム勢力を支援するカタールのタミム首長は昨年9月の米CNNとのインタビューで「米国などはイスラム主義勢力を全て過激派とみなすが、我々には受け入れられない」と米欧との違いを強調した。
権力争いで低迷する反体制派に代わって13年から勢力を急拡大したのがイラクのアルカイダ系組織を母体とするISだった。北・東部で反体制派やヌスラ戦線との抗争を制し、14年6月にはイラク北部にも侵攻。巧みな広報戦略と、原油密売などによる資金力を生かし、中東全域に脅威を与える存在になった。
一方、アサド政権も、友好関係にあるロシアやイラン、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの支援を受け、主要都市が集まる西部で勢力圏を回復している。
「前にアサド政権、後ろにIS。勝てる見込みのない消耗戦だ」。親欧米反体制派の幹部はそう漏らす。米国主導の有志国連合は昨年9月にシリアでISへの空爆を開始。親欧米派への軍事訓練の強化を通じて反体制派の立て直しを図る構えだ。しかし昨年後半以降、有力部隊がヌスラ戦線の攻撃で次々と壊滅するなど劣勢が続く。
各勢力が入り乱れて戦闘を続ける中、市民の疲弊は限界に達している。国連によると、国民の半数以上が国内避難民や周辺国への難民となった。政権、IS、反体制派は、それぞれが住民に対する搾取や略奪、人権侵害を行っていると指摘されている。
【対IS空爆、現状は?】 2015年11月17日
◇8125回実施 露介入で複雑化
Q フランスがISへの大規模空爆(だいきぼくうばく)を行ったね。他国も空爆しているようだけど、現状は。
A 米国主導の有志国連合は昨年8月、イラクで空爆を開始し、翌9月にはシリアにも拡大しました。米国防総省によると、今月12日までにイラクとシリアで合わせて8125回の空爆を行い、ISの軍事拠点や資金源になっている製油(せいゆ)施設など少なくとも1万4000カ所を破壊しました。費用は10月末時点で50億ドル(約6100億円)。1日当たりで1100万ドル(約13億円)になります。
Q ISを追い詰めているんだね?
A そうとは言い切れません。ISは依然(いぜん)としてシリアとイラクに一定の支配領域を確保し、首都と位置付けるシリア北部ラッカや、イラク第2の都市モスルも支配しています。英BBCによると、戦闘員(せんとういん)数は昨年秋とほぼ同じ約3万人を維持し、外国人戦闘員の流入も止まっていません。
Q 有志国連合に新たな作戦はないの?
A 米軍はシリアで穏健な反体制派勢力の戦闘員を訓練し、ISと戦わせるつもりでしたが、効果が上がらず、諦めました。その代わり、今年10月からは、ISとの戦闘実績があるクルド人部隊などへ武器・弾薬(だんやく)を供給し始めました。また、シリアで初めて、小規模な米軍特殊部隊の常駐派遣にも踏み切りました。トルコにも協力を要請し、同国も7月から対IS空爆に加わりました。
Q ロシアも9月末からシリアで空爆を始めたね。
A 「IS掃討(そうとう)」を掲げていますが、米国などは、自分たちが支援している穏健な反体制派勢力を標的にしていると批判しています。ロシアは、ISや反体制派との戦いで劣勢(れっせい)になったアサド政権を助け、中東での影響力強化を狙っているとみられています。アサド政権と反体制派、ISという三つどもえの戦いと米露の反目が事態を複雑にしています。
Q フランスの大規模空爆には、どのくらい効果があるのかな。
A フランスは欧州に流入するシリア難民が急増したことなどから、元凶のISを掃討するため9月から空爆を始めました。ただ、今回の大規模空爆はパリ同時多発テロへの報復(ほうふく)の意味合いが強く、長期的に同様の攻撃を行うかどうかは不明です。
(外信部)(三木幸治)
【シリアの連続爆発、死者146人に ISが犯行声明】 2016年2月22日
内戦が続くシリアの首都ダマスカスと第3の都市ホムスで21日に起きた連続爆発で、死者は少なくとも計146人に達し、負傷者も計278人以上に上った。ロイター通信やAFP通信が伝えた。爆発現場は住宅地や商業地に隣接。死傷者には子どもら多くの民間人も含まれている。
シリア国営通信や在英の反体制派NGO「シリア人権監視団」によると、ダマスカス南郊サイイダ・ザイナブ地区の死者は87人、負傷者は178人に増加。ホムスのザフラー地区の死者も59人に増えた。100人以上に上るけが人には重傷者が多く、死者は増える恐れがある。
両地区はアサド政権の支配地域。犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)の大規模爆弾攻撃を受けたのは、今年に入ってそれぞれ2度目になる。
ダマスカスはアサド政権のおひざ元で、ホムスはダマスカスから地中海沿岸やシリア北部に向かう際の中継地になる要衝。政権は両都市の掌握を最優先にし、勢力圏には数十〜数百メートル間隔で軍検問所を配置する厳重な警備を敷いてきた。
それにもかかわらず、ISの攻撃を再び許したことで、政権は衝撃を受けているとみられる。対ISでさらなる軍事資源の投入を迫られる可能性もある。(イスタンブール=春日芳晃)
2016年6月17日
暴力と不条理を映し出す映像の力 映画「シリア・モナムール」
シリアの惨状を伝えるドキュメンタリーである。といっても、監督がカメラを抱えて現地に入り、見たこと聞いたことを編集して一本にするという通常の手法とは、大違い。「1001の映像からなる」というこの映画は、シリアの不特定多数、無名の誰かが目撃し、体験し、記録してYouTubeで公開した映像が主な素材だ。
冒頭から驚かされる。携帯電話のカメラで撮ったと思われる低画質の動画は、部屋の片隅にうずくまった半裸の少年を映している。
画面の外から現れる足と手が、少年を殴る、蹴る。おびえた少年はされるがままにうずくまる。字幕の説明によれば、少年は学校の壁に「市民は政権転覆を願っている」と書いたがために、警察に捕まり、爪を何枚もはがされた。返還を求める父親に、警察は「子どものことは忘れろ」と言って追い返したという。
映画は、シリアの街角で、警察の取調室で、市民の家の中で起きている、こうした暴力と死の断片を、延々と連ねていく。
ほんの少し前なら目にすることが不可能だった映像の連続である。誰もが目の前の出来事を手軽に記録でき、インターネットで瞬時に世界に発信する時代ならではの作品だ。パリに亡命中のシリア人映画監督、オサーマ・モハンメドは映像を丹念に集めた。映像の鮮度と力強さが、この映画の力の一つだ。
それだけではない。映像は表現者であるモハンメドの思索をくぐっている。画面にはモハンメドの独白が重ねられる。彼は身の危険を感じて祖国を離れたものの、苦しむ同胞を見捨てているという自責の念にとらわれている。
シリアの危険地帯にとどまったクルド系女性のウィアーム・シマヴ・ベデルカーンが、身の回りの出来事を記録し、モハンメドに送信してくる。自分が撃たれた様子まで。シマヴはモハンメドに助言を求め、モハンメドは彼女を励ましつつ自省する。当事者でありながら部外者である二重性が、遠い地球の裏側の出来事にリアリティーを与えるのだ。
高揚や扇動なしで伝える暴力の恐怖と連鎖
シリアは、改革派として父を継いだ現アサド大統領が反体制派への弾圧を強めて内乱状態となり、過激派組織イスラム国(IS)の台頭とあいまって、情勢がきわめて複雑だ。25万人ともいわれる犠牲者を出し、大量の難民が欧州に流入するなど、泥沼化している。
この映画は、そうした背景を説明することはほとんどない。被害者と加害者の立場や政治的主張はほとんど分からない。暴力が加えられ、血が流れ、命が奪われる。嘆きと怒りが充満する。暴力の連鎖の結果を、いたずらな高揚や扇動を抜きに、淡々と見せつける。画面の出来事はシリアという固有名詞を失って、すべての戦争の悲惨さへと普遍化されていく。
映像の多くは目を背けたくなる残酷さだ。特に、子どもたちの死には胸が痛む。しかしこれが今、起きている不条理であり、過去に繰り返されてきた愚行に他ならない。デジタルとネットワーク、それに作家の視点が、世界の姿を透視する。立ち止まって周りを見回し、自分を見つめ直す好機となる秀作である。
(勝田友巳 / 毎日新聞学芸部長)
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