2006年4月7日


 ロスキレ〜ヘルシンオア〜ヒレロズ〜コペンハーゲン


コペンハーゲン中央駅

駅ホーム

エストーの電車内部

デンマーク2日目は良いお天気でした。
私と娘は電車に乗って午前中にまずロスキレに行き、午後はいったんコペンハーゲンに戻って電車を乗り換えてクロンボー城のあるヘルシンオア、フレデリクスボー城のあるヒレロズと3つの町をまわることにしました。
エストーと呼ばれる電車はデンマーク国鉄が運行してコペンハーゲンと各地を結ぶたくさんの路線があります。
コペンハーゲン中央駅は改札はありません。駅の建物の中に入るとそのままホームに出られます。
切符を買わなくても電車には乗れるというわけですが車内で検札が来ます。
ドアは自動では開かず、ボタンを押して開けて入ります。
電車のシートはソファのような鮮やかなブルーの模様のあるものでした。
電車は空いていて、旅行者も私たち以外見当たりませんでした。


ロスキレ駅

ロスキレ市庁舎

ロスキレ大聖堂(世界遺産)

ロスキレ大聖堂

ロスキレ大聖堂

30分ぐらいでロスキレに着きました。1000年以上の歴史を持つフィヨルド最奥部の古都ロスキレは、960年頃から1536年までデンマークの首都として繁栄した町です。
ロスキレには世界遺産の大聖堂があります。
駅からロスキレ大聖堂までは歩いて10分ほど。途中、ロスキレ市庁舎があります。
ロスキレ大聖堂は1170年代に築かれたゴシック様式の教会で、北欧最初の赤レンガ造りの建物です。
デンマーク王室歴代の墓があり、15世紀から先代国王まで歴代の王や王妃38名が豪華な石棺に眠っています。
真っ青な空に赤レンガが映えます。内部の見学もできるのですが、私たちは時間がないので外側だけを見て、公園をずっと歩いてロスキレ湾まで出ました。

静かな公園内を15分ほど歩いていくと、海に面してヴァイキング船博物館があります。
1962年ロスキレ湾で発掘された1000年頃のヴァイキング船5隻を展示しています。
外にもヴァイキング船がありました。
空も海も青く、私と娘は美しい景色を楽しみながら、ぶらぶら歩いてロスキレ駅に戻りました。


ヴァイキング船

ヴァイキング船博物館

ヴァイキング船博物館前のはね橋

またエストーに乗り、コペンハーゲン中央駅に戻ったのは12時を回った頃でした。
次に行くヘルシンオア方面の電車の時刻を調べるとちょうど10分後ぐらいに出る電車があったので、私たちは駅でサンドイッチとコーヒーを買って電車の中で食べることにしました。
お店の人が、パンをオーブンで温めるから8分ぐらい待ってくれというので、時間がないので5分でいいと言って、生ぬるい(笑)サンドイッチを持ってホームに行ってみると、乗るべき電車が来ていません。
ホームをうろうろしているうちに、発車時刻が過ぎてしまい、どうやら案内掲示板に書いてあるのとは違うホームだったようです。
時間は正確なのですが、そういうところはアバウトなんですね。
次の電車まで30分ぐらい待つことになりました。
ロスキレに行く時は、電車の中でその区間だけの切符を買ったのですが、娘がガイドブックを見て、24時間有効のチケット(コペンハーゲン近郊はどこでも均一料金)を買った方がずっと得だと知って、そのチケットを買ってくると言い出しました。
私は2人分のコーヒーとサンドイッチを持ってホームのベンチで待っていましたが、10分経っても20分経っても娘は戻ってきません。
駅の構内は広いので私が探しに行って行き違いになっても困るし、電車に乗る時間までには戻ってくるはずと立ったり座ったりしながら待っていたのに、ついに次の電車も出発してしまいました。
「これは誘拐でもされたか」と添乗員さんに電話するのはどうしたらいいんだろうとまで考えたりしましたが、結局40分以上経ってやっと娘が戻ってきました。
切符売り場がわからなくてあちこち行ってみたあげく、自動販売機で売っていたそうですが、そこが長蛇の列で時間がかかったとのこと。
次の電車が20分後ぐらいだったので、すっかり冷たくなってしまったコーヒーとサンドイッチをベンチで食べて、最初は電車の中でランチも済ませられるし、なんてタイミングがいいと喜んでいたのに、ほんとにマヌケなことでした(笑)
そしてノー天気に2人でしゃべっているうちに、急にホームに人が増えてぞろぞろと歩き始めました。
降り返ると、次の電車が着いて人が降りて来たところでした。
アナウンスなどは全くないので、話に夢中になっていた私たちは電車が来たことにも気がつかなかったのです。
食べかけのパンを片手にあわてて飛び乗りましたが、あやうく3本目の電車にも乗り遅れるところでした。
そんなこんなで1時間ぐらい時間を無駄にしてしまい、約50分間電車に乗り、ヘルシンオアに着いたのは2時半ぐらいだったでしょうか。
「ヘルシンオア」とデンマーク語で書かれているのが読めなくて、娘と「あとどれくらいだろう」とか「どこで降りるんだろう」とかずっと話していたら、通路をへだてた席に座っていたご婦人がにこにこして私たちを見ていたのですが、駅に着く前に親切にデンマーク語で「次ですよ」(たぶん)と教えてくれました。


ヘルシンオア駅

ヘルシンオア駅のホーム

ヘルシンオアは、「ハムレット」の舞台として有名な世界遺産クロンボー城がある港町です。
今回の旅でどうしても見たかったのがフィヨルドと並んでこのクロンボー城でした。
クロンボー城は駅から歩いて約20分。歩き始めてすぐに港をはさんで城が見えます。
人里離れた山の中にあるようなイメージだったので、明るい海辺にあるのが意外でした。
クロンボー城は16世紀に完成した北欧ルネッサンス様式の城。
城に入るには、白鳥の泳ぐ外堀を渡ります。
ほぼ真四角な形をしたクロンボー城は広く、周りを一周するだけでも結構時間がかかりました。
対岸に見えるスウェーデンとの間は海をはさんでわずか5kmです。
その海に向けて大砲がずらりと並んでいます。
そびえ立つ塔は、ハムレットが父王の亡霊に遭遇するのにふさわしい雰囲気がありました。
入り口の左手の壁に、シェークスピアの胸像のレリーフがあり、その下にハムレットについて書かれています。
城内には、教会、地下牢、博物館があり、それぞれ見学できますが、私たちは次のフレデリクスボー城に行く時間が足りなくなりそうだったので、城内は見学せずに帰ってきてしまいました。


港の向こう側に見えるのがクロンボー城


ハムレットの舞台 クロンボー城(世界遺産)

城壁の外側にある銅像

城の外観

城壁の内側

中庭から見る建物

中庭から見る城の入り口

中庭に入る門

中庭から見る塔

シェークスピアのレリーフ

海に向けて大砲が並ぶ

海を隔てた向こうはスウェーデン

ヘルシンオア駅に戻り、次はローカル線に乗り換えてヒレロズに向かいました。
この電車は今までの電車と違って車内は日本の田舎の列車のようでした。
ヒレロズ駅もいかにも田舎〜という感じの駅でした。
駅前のバス乗り場で、フレデリクスボー城行きのバスをうろうろ探していたら、ここでもまたかなりお年を召したおばあさんが親切にバスを教えてくれました。
やっぱりデンマーク語でしゃべるのでよくわからないのですが、彼女が言うバスに私たちが乗るまでずっと見張っているので(笑)、否応なくそれに乗り無事フレデリクスボー城までたどり着きました。
フレデリクスボー城は、16世紀の中頃完成した城で、1859年大火に遭って再建されたのちは国立歴史博物館となっています。
湖のほとりにたたずむ城は、レンガ造りの北欧ルネッサンス様式の美しい建物で、まるで湖上に浮かんでいるかのような素敵なお城でした。
敷地が広く、その周辺のどこから見ても絵になる建物と言われているそうです。
湖の対岸には、フランスの造園を見習って造られた見事なバロック庭園があります。
湖を廻る広々とした道があり、そのまわりには森もあって、散歩やジョギングをしている人達がちらほらいました。
陽はまだ高く、まるで昼間のようでしたが、このときはもう5時を過ぎていて、ここもまた閉館していて中を見ることはできませんでした。
やはりかなり離れている場所を1日で3ヶ所もまわるのは強行軍だったようで、私たちらしい珍道中でしたが(笑)、前日は曇っていたし、この日はいいお天気で素晴らしい景色が堪能できたので満足でした。


ヒレロズ駅前のバス乗り場

ヒレロズ駅

フレデリクスボー城の正面

中庭から見るフレデリクスボー城

裏側

湖に囲まれたフレデリクスボー城

湖の対岸

バロック庭園

湖を隔てた道路から見るフレデリクスボー城

バス通りから見るフレデリクスボー城

ヒレロズからまた40分ほど電車に乗ってコペンハーゲンに戻りました。
日も暮れて8時ごろでしたので、ストロイエに行き夕食をとることにしました。
行ったのは伝統的なデンマーク料理が食べられるプックというレストラン。
創業は1750年でデンマーク王クリスチャン7世も愛人としばしば足を運んだという歴史あるお店だそうです。
北欧の旅もこれで最後なので、ラストはちょっと豪華にコース料理を食べようということになりました。
とにかく物価の高いデンマーク。計算するとお金が足りないので、娘は余っていたユーロ(フィンランドではユーロが通貨です)をデンマーククローネに両替にしに行きました。
戻ってきた娘がお料理の分だけきっちり両替してきたというので、「え〜、ビールぐらい飲みたかったのに」と言うと、娘はあわててまた両替に走って行きましたが、これがまたほんとにマヌケな話だったのです。
まず運ばれてきたのが前菜のシュリンプ・カクテルでしたが、日本だったらカクテルグラスにほんのちょっぴり盛られているというというイメージですが、ここではガラスのサラダボウルに海老がてんこ盛り。
ここでやっと私たちは、デンマークの料理が全て日本の2倍の量はあるということを思い出しました。
要するにコースは1人前だけ頼めばちょうど良くて、そうすれば両替にも行かなくて済んだのです。
前菜のシュリンプをなんとか食べましたが、もうそれだけでかなりおなかはいっぱい。
メインの料理は娘のはサーモンをグリルしたものだったのですが、サーモンの切り身はレンガ1個ぐらいの大きさで日本の鮭の切り身の5、6枚分ぐらいあったんじゃないでしょうか。
その周りにマッシュポテトがぐるりと絞り出してあって、これはもう2人でも食べきれない量でした。
私はタラのフライでしたが、これも山盛りのフライドポテトの上に10枚ぐらいのフライが乗っています。
娘も私も泣き笑いで、私は何とか半分ぐらいは食べ、娘はわざわざ両替に行ったのにクヤシイからとマッシュポテト以外はほとんど食べました。
「もう一生分のサーモンは食べた気がする」と娘はため息をついていました(笑)

10時を過ぎてお店を出て、ホテルに帰るバスに乗ろうとコペンハーゲン中央駅まで歩き出しましたが、ここで私たちは道に迷ってしまいました。
全く逆の方に行ってしまったようで、途中路上の花屋のおじさんなどに道を尋ねましたが、言われたとおりに行くとまた同じところに出てしまったりと、結局10分足らずで行ける駅にたどり着くまでに1時間余り歩いてしまいました。
やっと駅に着いてバスに乗りホテルに向かいましたが、ここでまた大失敗。
バスは2階建てなので、私たちには物珍しく、子供のように毎回2階に乗っていました。
2階にはボタンなどないので、バスはどのバス停にも止まってくれるのかと思っていましたら、降りるときは1階に降りてボタンを押すことになっていたのです。
それまでは私たちのほかにも同じ場所で降りる人がいたので気づかなかったのですが、このときはもう12時近くて私たち以外乗客がいませんでした。
ホテルのある場所のバス停をバスは猛スピードで通り過ぎ、私たちがあわてて運転手さんのところに行き「カストロップで降りたかったんだ」と言うと、「OK!」とさらにスピードを出す始末(笑)
この先にカストロップ空港というのがあり、私たちがそこで降りたいと言ってると思ったようです。
「違う!ここで降ろして!」と言うとバスは止まってくれましたが、そこから真っ暗な道をふたりでとぼとぼと15分ぐらい歩いて戻る羽目になりました。
まさに珍道中にふさわしい最後でした(笑)


レストラン・プック

プックのサーモン料理(1人前)

翌日は、コペンハーゲンから空路でフィンランドのヘルシンキへ。
そこで4時間ほど待って飛行機を乗り継ぎ、成田へ向かいました。
ヘルシンキ空港ではおみやげなどを買いましたが、ここでは4年生の男の子連れのお母さんが変わった行動をとっていました。
ブランドショップを見ると、子供を置き去りにして一目散に駆け出してお店に入っていくのです。
男の子は平然として「あ〜あ、また行っちゃったよ。当分戻ってこないよ」などと言っているので、いつものことなのでしょうか(笑)
そうしていくつものブランドショップに駆け出して行くのですが、買い物は何もしません。見るだけなのです。
機内では、たまたま隣がサッチー・白川ペアでした。機内食のあと、2人はワインやビールを何回も貰って、バッグからおせんべいなど取り出してちょっとした宴会をしていました。
たくましいと言うか、何と言うか、とにかくこのツアーはビックリ人間の観察ツアーでもありました(笑)
成田に着くと、空港の周りの満開だった桜は葉桜になっていましたが、暖かい春の日本の風景にほっとする思いでした。

《1年前の記憶はやはり曖昧で、書き始めるとするすると思い出すこともあるのですが、一番記憶に残っているのは風景や名所よりも同じツアーの人たちでした(笑) ということで旅行記と言うより、半分は人間観察日記となっています。 =2007年3月= 》

text:檸檬 phot:Momoko
デンマーク(1)






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