はじめに

 
 
国民総幸福を政治理念として掲げる「幸せの国」ブータン。
2011年3月の原発事故とその後の国民不在とも言える政治の状況に、かなり人間不信になってしまった私は、ブータンがどんな国か見てみたい、そこに行ったら癒されるんじゃないかと思い、2011年6月に娘と二人でブータン旅行をしてきました。

GDP(国民総生産)に対して、GNH(国民総幸福量)というお金よりも幸福さに国家目標を置くブータン。
この「国民総幸福」という言葉の甘やかな響きに魅せられて、いったいどんな国なんだろうと、興味を持ちました。

※ 1976年、第5回非同盟諸国会議で第4代ワンチュク国王が「GNH(国民総幸福量)の方がGDP(国民総生産)よりも大切である」と発言して以来、GNHを国是とする国として知られるようになった。2008年に制定された憲法の9条には「ブータン政府の役割は国民が幸福(GNH)を追求できるような環境整備に努めることにある」と記されている。
※ 一人当たりGDPは、2011年は2121ドルで、182ヶ国中156位。
※ 医療費は無料で、国王も貧しい人も同じ医療を受けられる。教育では日本の高校に相当する学校を卒業するまで学費は無料。


ちょうど出発前に、テレビで、嵐の相葉さんがブータンに行った番組(2011年6月3日『本当のエコを考える地球旅行』 日本テレビ系)があったので見ました。
ブータンの国民の97%が幸福だと思っているそうですが、相葉さんが、出会った人々に「幸せですか?」と尋ねると、みんなが「幸せです」と答えます。
そう答えるとき、誰もが笑顔になります。
その笑顔を見ると、本当に幸せを感じているから、思わず笑顔が出るんだなと思いました。
国の政策で、国土の60%以上を森林にする、外国人観光客による自然破壊を防ぐ、自然エネルギーによる発電、信号機がない、全国禁煙、ビニール袋の使用禁止など、環境保護は徹底しています。

ブータンの首相のインタビューでは、

・現代社会は、経済成長や物質的な豊かさを追求する過程で心の問題が大切な事を忘れてきた。
・幸せを生み出す環境創りのために、精神的な部分が大切だと思い、GNHの考え方に至った。
・幸せと環境は大切な関係がある。
・健康であることが幸せにつながる。自然が破壊されると、健康でいられなくなる。


と、環境保護が幸福に繋がることをお話していました。
そして、「幸せですか?」と聞かれて、
「家族に恵まれ、平和で自然が豊かな国に住んでいるから、私は幸せです」
と答えました。
首相のお話はとても明快で、幸福とは何かという根源的な問いに対する答えにもなっていると思いました。
ブータンの小学校で、環境保護の授業をしていた先生のお話も、とてもよくわかりました。
「自然を大切にしていれば、辛いことがあった時でも、花や緑が心を幸せにしてくれるでしょう」
ブータンで、美しい自然を見て幸せを感じてきたいと思って旅立ちました。






    バンコク(タイ)〜パロ


【バンコク(タイ)】

ブータンには、タイのバンコク経由で行きます。
バンコクに1泊したので、少しですが観光もしてきました。

娘はこれまでに3回ほどタイに来ているので、チャオプラヤ川のほとりに立つワット・アルン(暁の寺)なら近いから行こう、と私を案内してくれることになりました。
ホテルの前で客待ちしているタクシーの運転手さんにワット・アルンまでの料金を聞いて、値切りもせずそれに乗りました。
しばらく走っていると、運転手さんが私たちに「ボート、OK?」と聞いてきました。
バンコクでは、チャオプラヤ川を船に乗って観光名所をめぐるのが一般的、ということは私も知っていましたので、船の観光を勧めているんだ(つまり客引き)と思って、「ボート、NO!」と答えると、天然の娘は「ボートじゃないよ、フォトって言ってるんだよ」とボケたことを言い、運転手さんに愛想よく「フォト、OK♪」などと答えています。
運転手さんが、さらに「ボート、OK?」と聞くので、私は「NO!!」と言い、娘は「OK〜♪」と言うコントみたいなことをしてるうちに、車は案の定、川べりに着いてしまいました。
そこには、ヤクザの姐さん風のタイ人女性と子分風の若い男性がいて、「ボートに乗れ、料金はいくらいくら」と言います。
私たちが「そんなに現金を持ってない」(元々、タイで観光するつもりはなかったので、これは本当でした)と言うと、姐さんは「じゃ、カードでキャッシングして来い」と、恐ろしいことを言いだしました。
私が「ボートは乗らない、私は船酔いするから絶対に乗らない」とオバサンパワーを出してわめくと、「じゃ、いい」とあきらめてくれました。
そのまま、同じタクシーに乗って、ワット・アルンに向かいましたが、英語がしゃべれるはず(オーストラリアに2年以上、滞在)の娘を信用してはいけない、ことを再確認しました(笑)

帰りは、今度は料金メーターのついたタクシーをみつけて乗りました。
ホテルの名前を言って走り出して途中まで来たとき、娘が「道が違う」と言い出しました。
どうやら、メーター稼ぎに遠回りしているようです。
バンコクに初めて来た間抜けな日本人親子だから、ばれないとでも思ったのでしょう(笑)
娘が英語で「道が違うでしょ」と言うと、「自分は新人の運転手だから、道がわからない」みたいことを言って、同じ道を走り続けます。
私が思いついて、娘に「韓国語で言ってごらん」と言うと、娘は何やら韓国語で言いました。
意味はわからなくても、迫力が違います。
すると、効果てきめん、あっという間に正しい道に戻りました(笑)


チャオプラヤ川


ワット・アルン(暁の寺)


翌日、朝4時半にホテルを出発して、ロイヤルブータン航空(Drukair)でブータンのパロに向かいました。
途中、インドのバグドグラ空港を経由して行ったのですが、それを知らなかった私たち、パロ空港は山で囲まれていると聞いていたのに、「山がない」と大騒ぎ(笑)
誰も降りる人がいないので、どうやら違うと気づきましたが、二人だけの珍道中、前途多難です(笑)


インド バグドグラ空港



【パロ空港】
インドのバグドグラ空港を飛び立って約1時間、世界一離着陸が難しいと言われるパロ空港に到着しました。
空港は海抜2500メートルの高地にあり、周りをヒマラヤの5500メートル級の山々に囲まれています。
空港のビルは、ブータンの伝統建築で、中には歴代のブータン国王の写真が飾られています。
現在の国王は、第五代のワンチュク国王で、2011年当時はまだ31歳、世界最年少の元首だそうです。
荷物を流すターンテーブルには、布団やらテレビ、電子レンジなどが次々と流れてきます。
どうやら、インドやタイに買い出しに行って家に持ち帰る品物のようです。


ヒマラヤ山脈


パロ空港


パロ空港

尾翼がブータン国旗の柄のドラクエアの飛行機

伝統建築の空港ビル

建物内

31歳の現国王の写真
イケメンです。

ターンテーブルにテレビや布団が流れる

空港の出口では、現地ガイドさんが迎えてくれます。
ブータンは、国が観光政策を決めているので、一般的には旅行会社から、あらかじめ旅行日程や宿泊先を提示して、入国申請とビザ取得を行います。
外国人旅行者には、必ずガイドさんが同行することが義務付けられています。
私たちのガイドさんは、27歳のイケメン♪
移動に使う専用の車で迎えに来てくれて、そのドライバーさんも若い男性です。
ソパー・チュと言う川沿いの山道を走って、首都ティンプーに向かいました。


ガイドさんとドライバーさん

ティンプーに向かう道

ソパー・チュ(川)





  


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