2007年6月22日

    チョベ国立公園



サバンナとチョベ川


昨夜はお湯が出ませんでしたが、一夜明けると無事お湯が出るようになっていました。
そこで朝食前に急いでシャワーを浴び、バスルームでお化粧をしていると、突然部屋の中が真っ暗に。
今度は停電です。眉毛を片方だけ書いた時点での停電でしたので、残りは部屋の窓際で娘にもう片方の眉を書いてもらうはめになりました(笑)
朝食は夕食と同じ庭で食べるのですが、庭と言ってもただ木々の間の地面にテーブルを並べてあるだけです。
木の上では鳥がさえずり、サルもやってきて木から木に飛び移ったりしていました。
もちろん野生のサルですが、人間の食事のおこぼれを狙っているようです。
アフリカは暑いというイメージとは違って、この日も高原の朝のような涼しさで、外で食事をするのはちょっと寒いという感じでした。
停電はこのホテルだけかと思いましたら、ジンバブエの国全部(面積は日本の約1.3倍)が停電していると言うので、ビックリ。
日本だったら、到底考えられないことですが、ここではよくあることだそうです。
コーヒーメーカーが使えないので、庭にあるかまどで沸かしたお湯でコーヒーを入れています。


庭で朝食

木の上のサル

ビクトリアフォールズの街中

ボツワナへ向かう道路

朝食後、バスで隣国のボツワナにあるチョベ国立公園へ向かいます。
ボツワナまでは85km、約1時間半の行程です。
街を抜けてサバンナの中を走って行くと、途中でシマウマがいるとバスが止まりました。
遠くの方であまりはっきりとははっきりわからないのですが、シマウマの白黒ストライプが見えました。
国境ゲートでバスを降り、日本の田舎の郵便局のような小さな木造の事務所で入国手続きをします。
その後、消毒液を沁みこませてあるらしいマットが敷かれている浅い溝の中を歩いてボツワナに入ります。
靴の裏だけ消毒すれば良いということのようですが、これが役に立っているのかよくわかりません(笑)
ボツワナは世界一のダイヤモンド産出国なのでジンバブエよりずっと裕福だそうで、その証しでしょうか、昼間なのにいくつもの街路灯が煌々とついていてもったいない(笑)、国中停電しているお隣のジンバブエに回してあげたい感じです。

チョベ国立公園は面積は約1万1000平方キロメートルあり(ボツワナ国土の約17%)中にはチョベ川が流れ、アフリカゾウがもっとも多く生息している地域です。
ここで、午前中にまず2時間のサファリドライブをします。
チョベ国立公園に着くと、6人ぐらいづつ4台のジープに分乗してサファリへ出発です。
ジープはパイプで支えられている屋根があるだけで、窓はもちろんドアもありません。
公園内では絶対にジープを降りてはいけない、動物が見えたら声をあげずに静かにしていること、などと野生動物に襲われないようにと注意されるのですが、こんな壁のないむき出しの車で大丈夫なのか、心配になります。
公園と言っても手付かずの自然のままですので、舗装はもちろんしていない道を、最初、ジープは猛スピードで走って行きます。
ドアがないので、端に座ってる私は車の外へ振り落とされそうに感じました。
風にビュービューと吹かれ、舞い上がる砂ボコリもすごい。
動物を刺激しないように原色の服は着ないように、できれば白がいい、と言われていたので、私は白いパーカーに白いパンツ、白い帽子(風に吹き飛ばされないように必死でおさえる)、おまけにホコリよけに白いマスクもして完全装備でしたが(笑)、服が全部薄手なので寒くてたまりませんでした。
ジープの運転手さんは動物がどこにいるのか知っていますので、その近くに来ると、車のスピードをゆるめてそろそろと走ります。


サファリのジープとインパラ


キリン

キリンのカップル?


インパラの群れ


インパラのオス

まず、現れたのはキリン。茂みの中で木の葉っぱを食べていました。
そして、インパラの群れ。小鹿のような姿ですが、アンテロープと呼ばれる牛科の動物です。
テレビで、ライオンやチーターなどに襲われて集団で逃げる映像を見たりしますが、ジープの人間は敵ではないとわかっているのでしょう、写真のようにこんなに近くに寄っても逃げようとしません。
お尻と後ろ足のかかとにおしゃれな模様があって、それがとても可愛らしい。
そして、すらりとした長い脚、引き締まった筋肉が見事な美しさです。
きのうゾウを見たときのように、野生の動物ってこんなに美しいものなんだと、しみじみと思いました。
車が走るに連れて、次々とアンテロープの仲間に会います。
クドゥは体の色や大きさなど、牛科の動物ということがなんとなくわかります。
体に白のペンキで描いたような模様がありました。
オスはらせん状のすごく立派な角があります。
プクというのは足が太くて、インパラのように素敵な体型ではありませんが、愛嬌のある顔が可愛らしい。
やはりオスは、とても立派な角があります。


クドゥのオス

クドゥの母子


プクのメス


プクのオス


セーブル


ホロホロ鳥

セーブルは黒いつややかな毛皮に顔とお尻が白いのがモダンアートのようで、後方に湾曲した長い角もかっこよく、立っているだけで絵になりますね。
ヒヒの群れにも遭遇しました。おなかに赤ちゃんがしがみついているヒヒの母子がいました。
それからバッファロー。真っ黒な体に、大きな角が印象的です。
バッファローを見られるのは割と珍しいそうで、こんな大きな群れに出合ったのは幸運だと言われました。
アフリカの野生動物でライオン・ゾウ・サイ・ヒョウ・バッファローをビッグファイブと言うそうですが(南アフリカの紙幣の図柄にもなっています)、私たちツアーは結局、ゾウとバッファローの2種類しか見られませんでした。
午後にサファリをした別のツアーはライオンに遭遇したそうですから、これはほんとに運の問題です。


ヒヒの母子

ヒヒの群れ


バッファローの群れ


バッファロー

ハゲタカとプクの死骸


ハゲタカの群れ

ライオンには出合えませんでしたが、そのライオンの餌食になったのでしょうか、角と骨だけになったプクの死骸には出合いました。
そのそばにはハゲタカが座っています。
また、近くに木には何羽ものハゲタカがとまっているのが不気味でした。
初めて、ここが動物園ではなく、厳しい自然界の掟や生命の営みを実感させられるショックな光景でした。
それから、イボイノシシ。2頭の子供を連れた母子で、最初写真とは逆に向こうから走ってきました。
ジープに気づくと、立ち止まって大きく「ブイッ」と鳴き、これは精一杯こちらを威嚇しているつもりだったのか、あるいは子供に「危ない!逃げるよ!」と伝えたのか(笑)
その後、かなり素早い動作でくるりと向きを変えて逃げ出して行きました。
そのあとを、子供たちが必死に追いかけて行きます。
母親は振り向きません。さっさと行ってしまいます。
確かに、野生動物は親の背中を見せるのみで、生き方を教えているようですね。
次に出合ったゾウのファミリーもそうでした。


逃げるイボイノシシの母子


ゾウのファミリーの行進


家族で水浴び

「ゾウが来る」と、運転手さんがジープを止めました。
「危険だから声を出さないで静かにして」と私たちに注意して、車のエンジンも切ります。
ゾウを怒らせるとジープに向かって来る、ゾウの力ではジープを簡単にひっくり返せるそうなので、私たちは息を潜めてゾウの行進を見守りました。
お父さん、お母さんゾウが悠々とジープの前を横切って行くその後ろから、子ゾウが2頭が一生懸命ついていきます。
少し大きいお兄ちゃんかお姉ちゃんゾウに、もう1頭はまだ赤ちゃんゾウのようです。
ゾウのオス・メスは額の形で見分けるそうで、額が平らなのがオスで、ちょっととがっているのがメスと聞いたような気がするけれど、逆かもしれません。
これもまた、とても綺麗なゾウで、その威風堂々とした様に惚れ惚れしました。
百獣の王ライオンとは言うけれど、ほんとの百獣の王はゾウではないのかなと思いました。
ゾウを襲う動物はいないし、草食動物なので必死に狩をして餌を確保しなくてもいいのですから、悠然と生きているように見えます。
ゾウが去ってから、川を見下ろせる小高い場所まで行きました。
さっきのゾウのファミリーが水の中に入っているのが見えました。
ほのぼのと心和む光景でもあり、ゾウの一生というのは幸せそうだなと感じられました。
これで2時間にわたるサファリドライブは終わりで、入口に戻ろうとした時、例によって珍事件発生。
私たちの乗っていたジープが突如エンストしてしまい、動きません。
車の外に出たらライオンに襲われたりして危険だということでそのままじっとしているほかなく、どうするんだろうと思っていたら、他のジープがあとからやってきました。
そこに運転手さん共々、便乗させてもらい、とりあえず無事帰ることができました。


    チョベ川



チョベ川

昼食はチョベ川のほとりにあるリゾートホテルMARINA LODGEでとりました。
ここもまた、草の生えた地面にただテーブルと椅子を置いただけの青空レストランでした。
広い川の流れを見ながらの食事で、とても気持ち良かったです。
食事の後、ロッジの船着場からボートに乗って、ボートサファリに出発しました。
ボートから見えるのは、広々とした川の向こうにはるかに続くなだらかな地平線に、広い広い青空。
空が日本で見るより数倍大きく見えて、これこそ大自然という感じでした。


ロッジレストラン

サファリボート

ボートのガイドさんが、「ワニがいる」と教えてくれて、岸辺に寄っていきました。
動物園でしか見たことのないワニがのそのそと歩いています。
別の場所では、気持ちよさそうにベターっと平たく伸びたワニが寝ていました。
どちらも全長3m以上あるように見えました。
チョベ国立公園には約7万頭のゾウが棲息しているとのことですが、船が進んで行くと、いるいる、ゾウの大群です。
水辺にも少し奥へ入った陸地もゾウだらけでした(笑)
子ゾウがぴったりと親ゾウに寄り添っているのが可愛い。
ゾウのそばにヒヒがたくさんいるのは、ゾウのフンを拾って中から木の実の種を探して食べているのだそうです。


ワニ

日向ぼっこしているワニ


ゾウのファミリー


ゾウとヒヒ


カバの群れ


カバと白い鳥

キリンやアンテロープやゾウは、ほんとに美しいなあと思いましたが、唯一気持ち悪いと思ったのがカバです(笑)
川の中州に泥のかたまりのような物が見えましたが、近づいて見るとそれがカバの群れでした。
ぎっしりと固まって鼻まで泥にもぐっていますが、まるで巨大なダンゴ虫のようです(笑)
ブヒーブヒーという鳴き声も聞こえます。
泥から出て、他のカバの体の上を踏んづけて草の上にあがっていくカバがいます。
踏まれているカバはそれが当たり前なのか、平然とした様子です。
カバの背中に白い鳥が止まっていますが、カバの体についた虫を食べるそうです。
アフリカ旅行を決めたのはビクトリアの滝を見たかったからですが、動物が大好きというわけでもない私は、このサファリはどうなんだろうと思っていました。
ある人にそう言ったら、「野生の動物を目の前で見るだけで興奮するそうよ」とその人のお友達の話を聞かせてくれたので、がぜん興味が湧いてきました。
そして、実際に野生の動物の姿を見ると本当に興奮しましたし、その美しさと大自然の中で生きる姿に感動しました。
素晴らしい体験ができて良かったと思います。


木彫りのマーケット

レストラン

2時間のボートサファリを終えて、またバスで隣国のジンバブエに戻りました。
途中、一番品物が多くて一番安いという、木彫り民芸品のマーケットに寄りました。
ここも、地面に木彫りをずらーっと並べた青空マーケットです。
歩くとそれぞれのお店の人が、わーっと群がってきて口々に自分の店の品物を買えと言ってきます。
木彫りのキリンを買おうと思って、「これはいくら?」「**ドル」「高い」「じゃあ、△▽ドル」「No」「こっちなら○○ドルだから、これを買え」「それならいらない」と言ってるうちに、隣のお店の若い男の子がキリンをぱっと持ってきて「☆ドル」と言うので、それを買ってしまいました。

夕食は、ホテルからバスで真っ暗な道を走って、やはり真っ暗なところにあるレストランでボマディナー。
ボマというのはアフリカンバーベキューという意味のようです。
イボイノシシ・ダチョウ・バッファローなど野生動物の肉もあります。
野生動物って保護されてるんじゃないの?と思いましたが、1日1頭だけ捕獲してよいとのことです。
街中をイボイノシシが歩いていたりしましたが、うかうかしてると人間につかまって食べられてしまうんじゃないでしょうか(笑)
前菜にはワニの肉がでましたが、淡白で美味しかったです。
ここで有名なのはイモムシの料理で、食べた人には証明書が出されます。
かなり大きくて見た目がイモムシそのものでしたので、私と娘はパス。
ツアーメンバーの中に食べた人が3人ぐらいいましたが、お味を聞くと、結構カサカサしていて不味くはないとのこと。証明書も見せてもらいました。
この日、私はずーっと寒くて、午後からは体中の節々が痛くなってきたので、風邪をひいて熱が出てきたのだと思い、日本から持ってきた鎮痛解熱剤を飲んで寝ました。


アフリカンバーベキュー (左からイボイノシシ・ダチョウ・バッファロー・チキン)


ワニの前菜
 

イモムシ




  










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